東日本大震災-6: 情報の発信と収集


地震のベテラン?
 私は
33年前の宮城沖地震を岩沼市で、1995年の阪神・淡路大震災は伊丹市で夫々体験しています。しかし今度の地震は揺れている最中に「こいつは今までとは違う」と感じました。とにかく強い揺れが長かったです。でも外に出てみて「アレッ」です。周りの家が全然被害を受けていないのです。せいぜい屋根瓦が少し落ちているくらいです。倒壊なんてありません。所がラジオを聴いていてヤッパリ・・・です。ラジオで被害の大きさなど大々的に言っていますが、渦中に居ると耳からの情報ですからから中々その凄さがわからないのです。判ったのは丸3日後に電気が来て、TVの映像を見た時でその酷さに愕然としました。

  携帯電 話の事
 自分の発信用くらいにしか思っていないので、充電が不足していました。これが大きな失敗でした。安否の連絡をしなければ成りませんが、固定電話、インターネットは駄目、勢い携帯電話に頼らざるを得ません。その携帯電話も全く通じません。バッテリーが消耗するばかりです。やっと私が発した娘へのメール「停電中 電源なし 親類へ無事の連絡頼む」が届いたようです。所が返信は「私も今日は帰れそうに無い。ネットカフェ泊まりかな?携帯に親類の電話番号が入ってない!」。東京辺りも混乱しているようです。結局この伝言は、過去のWebメールを検索して電話番号を探し出したみたいです。岩沼⇒東京の娘⇒ボストンにいる娘が番号を調べ⇒東京の娘⇒名古屋と山口へと辿って親戚に辿りつきました。その頃私の携帯は電源が殆どゼロで、受信のみ出来るようにして連絡の手段は途絶えました。電源パックなど当然売り切れです。水を貰いに並んでいた時(5時間半並びました)、前の若い人が何かぐるぐる廻している。何をしているのかと尋ねたら携帯の充電ですとの返事が帰って来ました。

又地震の翌日何時もの散歩道で挨拶を交わしている方に出会いました。産みたてのタマゴを頂いた上、いろいろ話をしていたら「我が家は、TVと冷蔵庫くらいをまかなえるソーラ発電をしているんです」と言っていました。
車のシガーライターという手も有るそうですね。
それと携帯電話の番号は案外他人に教えていないみたいです。安否確認を取ろうとしても、番号が判らないと手が出ないです。これも気を付けないと駄目ですね。

313日午後、丸3日たって電気が復旧、でもどうした事かPCのインターネット、メールが復旧しない。固定電話は掛かる所と掛からないところが有りましたが、こちらから親戚に電話を入れると全部通じました。でも向こうからは全く掛からないらしい。遠距離は比較的簡単に通じましたが、市内・;県内が通じにくかったですね。これは自分の所が開通しているから他も開通したと思っていた事と、域内の回線がビジーになっていた事の両者によるものでしょうね。

「携帯電話の充電完了。」これでやりやすくなりました。電話を占有したら駄目だと思い各所に「無事」のメールを携帯でチマチマと、携帯のアドレスを知らないからPCのアドレスに送りました。

インターネットが通じないのは、PCがONの状態で停電になってしまったので設定が何か狂ってしまったのかと、色々チェックをしたが問題はない。NTTに電話したが、ビジーで全く通じない。その内子供からの連絡で、光回線がやられているとの事で、暫く諦める事にしました。結局光回線の開通は3/1714時頃でした。

携帯電話とツイッター
中東の政変はフェイスブックからでしたが、ツイッターも情報が凄く早いですね。以下携帯電話が復旧してからの、ツイッターで得た子供からの情報です。

「私の勤めていたT社のプレスリリースの事」「光回線は1318000回線が故障(インターネットに繋がらない事への回答。納得、わがPCは健在だ)」」「この方近所の人ですね。大阪から安否の連絡を求めているよ。」「吹上のN社の駐車場に給水車を呼び込みました。近隣の方水の配給を受けて下さい。情報発信にご協力下さい。」
「スーパーD店  一人
10点制限で営業。」「E肉屋  10時から、買い物袋持参者優先。」こんなのも有りました「チョットだけど竹駒さんに出店が出ているみたい。意外とすいているみたい。」これで、弁当、たこ焼き、回転焼きをゲットしました(本日の食料は安泰)。

給水を受ける為に、又スーパーの開店を待つ為にと色々と並ぶ事をしました。その時に前後の人達と、極々ローカルな情報の交換が行われます。こんな時ですから、悲しい情報も沢山あります。でも非常に有用な情報「○○スタンドに行けば今日は灯油が買える」「△△魚屋で鮮魚が買える」と言ったような情報も得られます。

ソーシャルネットワークサービス上には物凄い量の情報が流れていますが、検索を上手く掛けて行けば、先に揚げたような行列でのローカル情報と同じレベルの情報が得られるのですね。先に揚げたように、私達よりも遠くにいる子供の方が、はるかにローカルな情報を得る事が出来たのです。これは驚きでした。

ここで私もツイッターにデビューし、自分で情報を発信し、又得る事にしました。岩沼での地震の影響をツイートした途端に反応(フォロー)が有りました。「父の親元が□□だ。被害は?」といった具合です。

又こんな話しも聞きました。近所に「石巻市女川町」に姪御さんがいらっしゃる方がいる。一躍有名に成った通りズタズタなった所です。当然安否連絡が取れない。それが、ご子息が千葉県の方とツイッターでやり取りをしていたところ、偶然姪御さんの無事の情報が入ったとか。

こんな情報もツイッターから・・クリック

  安否情報の事
こんな時に無事だったのだから何か出来ないかと子供と相談していたら、グーグルが
Person Finderという安否情報提供のWeb Siteを立ち上げている。岩沼市の名簿が写真にとって何方かが既にアップしているが、携帯電話のカメラで(送信手段がそれしかなかった)全体を写しているのでテキスト化するのに難渋しているみたい。精度の良い写真をアップすれば仕事がはかどるよとの事。市の許可を得て、一眼レフで撮り、PCで修正してアップしました。驚いた事に、30分後にはもうボランティアの方々がテキスト化を進めてくれていました。私自身も、これによって6~7人の安否情報を確認出来たし、友人もそれ以上の確認を出来たようでした。

その後、岩沼市も名簿を市の公式サイトにアップしましたがPDFファイルなので、携帯電話からは見る事が出来ません。今後はこの辺も考慮する必要が有るようです。さすが県レベルでは後になりましたが、Person Finderを使ったようです。PDFの単なる名簿だけよりは、Person Finderのように次々と情報が積み重ねていけるようなもの・・・「××避難所であって来ました。」「家の整理に帰られました。」の様な・・・に統一していく必要があると思いました。役所がやるよりもプロに任せる、そんなルール作りが必要です。何しろ速いですし、全国レベルで取組んでくれる。

  今回の経験はすべてボンヤリとしか知りませんでしたが、色々教えられて「いやー凄い事が出来る時代になっているのだなー」と驚かされてしまいました。これを上手く使わない手はありませんね。

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